国際リニアコライダー(ILC)を誘致する意義は、経済効果だけではありません。
世界でも最も巨大な加速器であるCERNの所在地スイスのジェネーブ郊外を見るとわかります。
九州大学の先端素粒子物理研究センターの教授によると、住民はCERNがあることを誇りにしているそうです。
総延長27キロメートルの巨大加速器は地下100メートルに埋もれていて、住民には見えません。
しかし研究施設があり、そこで陽子の塊同士をぶつけて宇宙の謎に迫っていることは知っています。
世界的な大発見がジェネーブでなされていて、住民はそれを誇りにしているのです。
それを裏付けるように、ジェネーブの住民は基礎科学を深く理解しています。
2011年の9月にCERNで「ニュートリノの速度は光の速度より速い」と思われる相対性理論と矛盾する発見がなされたのですが、このことを住民は良く知っていたのです。
発見直後に研究社がジェネーブの都市計画担当者に会ったところ、その研究・報道の内容をスラスラと言えたそうです。
担当者によると、住民は「良く把握」しているとのことです。
ILCで新発見が成されれば(発見しやすい仕組みです)、それだけ住民の科学への関心が高まるのです。